3月1日(火) (記:高須 誠)

地下鉄の出口の階段を上がると、昨日から続いている雨がやけに冷たく感じた。

いつもより、早く稽古場へ向う。
いつもより、緊張した足取り。
いつもより、長く感じる道のり。

誰もいない稽古場で、一人、覚悟を決めよう、そう考えていた。
しかし、そこにはすでに荷物があった・・・人の気配はない。

突然、背後のトイレのドアが開いた!

たもつだ。

今日は、ヤツがやってくる。

おじさん同士、考えることは同じのようだ。
きっと、その緊張のため、荷物を置くなりトイレに行っていたに違いない。

あれは、「たもつ」の「にもつ」・・・一字違いだ。

自分も荷物を置き、トイレに行った。
戻ってくると、2人は無言のまま、ストレッチをすすめた。
すると、ドアが開いた!

小島だ。

ヤツは、遅れてやってくる。

小島は、髪型を変えていた。
口にはしなかったが、「なかなか、やるな。」と、そう思った。

間もなく、勝俣と長橋が入ってきた。そのとき、

「あっ!」

長橋が思わず口走った。
その視線は、明らかに小島の髪型をとらえてた。
1600円ですましてしまった自分の髪型を後悔していることが、
その表情から、まざまざと読み取れた。

今日は内田が休み。
これで全員そろった・・・ヤツ以外は。

長橋の指導のもと、いつものストレッチをすすめる5人。
体が固い・・・きっと緊張のためだ。

勝俣の指導のもと、基礎筋力トレーニングをすすめる5人。
ついていけない・・・きっと、緊張のためにちがいない。

それでも身体が温まったせいか、休憩中は、劇団員に会話が戻った。

そんな安らぎもつかの間のこと。

トイレから戻ってきた長橋の様子が、あきらかにおかしい。
長橋は、ドアをそっと閉めてささやいた。

「き、きました・・・。」

一瞬の静寂。

顔を見合わせる5人。
そして、静かにドアの方を向くと、すでにドアは静かに開きだしていた。

とうとう、とうとうヤツがきたのだ。

そして、姿を現した!

ちょっと小柄で、海外ドラマが大好きな、スパイになりたかった女。

長沢彩乃か?
長沢彩乃なのか!?
長沢彩乃にちがいない!
長沢彩乃!
長沢彩乃だ!

・・・・・と、言うわけで、
今日から、新しい劇団員が増えました。
稽古は早々切り上げて、いざ、歓迎会へ!

今回は、お好み焼き屋で乾杯。
みんなで、鉄板の料理をつつきつつ、いつものように飲む、飲む、飲む。

海外ドラマと言えば、「大草原の小さな家」。
そんなおじさんの固定観念をみごとに打ち砕き、
最新の海外ドラマ事情を懇切丁寧に教えてくれる、長沢彩乃。

スパイと言えば「007」「ミッションインポッシブル」。
思わず、「ポアロとかだ。」と言ってしまったおじさんに、
「それは、探偵ですね。」とやさしく教えてくる、長沢彩乃。

そして、小柄ながら、結構、食べる、長沢彩乃。
目の前にある食べ物には、手を出さずにはいられないらしい。
締めには、率先してデザートを注文。抹茶アイスがのった今川焼!
つられて、小島・長橋も抹茶白玉を注文する始末。

なかなかどうして、ますます、劇団わらく、面白くなりそうです。

長沢彩乃。

以後、お見知りおきを!


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